誰か1人でも、役に立てれば・・・と思い書いてみました。教員採用試験を控えている人の励みになれば幸いです。
僕の父は教員(校長)という経緯もあり、
採用試験の面接官をしたことがあります。
ですので、どのようなことを審査しているのかを聞いてきました。
(厳密に言うと、臨時的任用教員用の採用試験対策の資料を見せてもらい、それを元にこの記事を書きました。)
受験する自治体によって目指す教育目標は異なります。
必ずその自治体が掲げている教育目標(キーワードやスローガン)を確認しておきましょう。
自治体が掲げている教育目標(キーワードやスローガン)は覚えておくこと。
審査項目は(どのような自治体でも)概ね共通だと思いますので、参考にしてみてください。
まず「教員としての資質・能力」が審査される
面接試験の限られた時間の中で、「自分の良い面」を伝えなければいけません。
自分なりには「ちゃんと話せた」と思っていても、面接官が審査したい項目から外れている内容では意味がありません。
どのようなことが審査されているのか知っておくと有利でしょう。
しっかりと面接対策を行い、面接官に輝いて映る(自分の良さが伝わる)と良いですね。
面接官が見るものとは何か、具体的に何を見ているのかを知っておきましょう。
まず、教員としての資質、人間性・専門性を見ています。
人間性
- 広く豊かな一般教養がある。(一般常識をもっている。)
- 説得力と信頼性がある。
- 心身ともに健康である。
- 正しい判断力をもち、公私混同せず、公正(な倫理観)である。
専門性
- 専門的教養・知識が豊かである。
- 研究心が旺盛である。
- 児童・生徒に愛情をもち、教師であるという正しい信念をもっている。
- 自らを厳しく律し、責任を果たす。
- 自己研修に励み、資質能力の向上に努める。
- 児童・生徒の保護者から信頼される。
- 児童・生徒の成長や発達について深く理解する。
母親に「ほんとアンタはちゃらんぽらんだねぇ」なんて言われたものですし、僕自身、本当のところはちゃらんぽらんな奴です。だからこそ試験の時には、精一杯、良く映るよう研究しました。ちゃらんぽらんですけど努力に価値はあると思っていますし、できる努力はします。
面接官の評価項目
教員としての資質が備わっているのかを判断し、以下の項目に照らし合わせて審査しているようです。
評価項目1 倫理観・使命感・信頼感
- 年齢や経験に相応の資質が備わっているか。
- 誠実な対応ができ、公務員としての自覚を十分に有しているか。
- 教職を目指す理由が明確で、情熱をもって全ての子供の成長のために尽くそうとしているか。
- 親として、子を任せられる人柄であるか。
評価項目2 指導力・専門性・向上心
- 個に応じた授業や、考えさせる授業、教える授業などを思い浮かべ言うことができるか。
- 教科の特性や本質に触れる授業を構想できるか。
- 成長や発達の特性を理解して、発達段階に応じて指導できるか。
評価項目3 判断力・精神力・対人能力
- 状況を正しく、見極め、より良い解決策を講ずることができるか。
- 柔軟な思考力をもっているか。
- 健康的であるか。
- 子供・保護者・同僚と円滑な人間関係を築くことができるか。
僕が人のことをとやかく言えるほどの立派な人間性を兼ね備えているわけではありませんが・・・
「人間性が備わっている」と・・・面接官に
映(うつ)るかどうか
です。本当のところは分からないじゃないですか・・・厳密に言えば・・・
そのときに伝われば・・・
面接官が「おっ、コイツ良いな」って思ってくれたら(そう映ったら)コチラの勝ちです。
講師経験者は経験者としての具体的な考えを、学生は学生としての今の考えを用意しておくと良いと思います。
今の言葉で言えば、バエるように、自分を表現する必要があるわけです。
しかし、面接官だって経験豊富な管理職の方々、プロですから、その場しのぎでは勝てません。
だから、精一杯、研究して対策して、面接に向かうんです。
真面目なことは良いことです。でも、真面目に、堅実に努め、心身のバランスを崩してしまう先生が多いのが現状です。(と父も言っていました。)
ですから、明るくハキハキと受け答えができるコミュニケーション能力の高さと、ストレス対応力(柔軟性)はを面接時にアピールできると強みになると思います。
身だしなみチェックリスト
竹内一郎さんの「人は見た目が9割」という本がヒットしましたね。
見た目が全てではありませんが、見た目が良いに越したことはありません。
僕も、普段から身なりには気を遣っています。
見た目が良いと、話す内容の説得力が増します。
ウケの良い格好で受験しましょう。
では、採用試験におけるウケの良い格好とは何か、具体的にリストアップしてみました。どうぞ。
頭髪・顔
- 清潔感があるか。
- 髪型、長さは、人前に立つにふさわしいものか。(長さは、程よいものか、前髪で顔が隠れていないかなど。)
- 眉の加工が奇抜過ぎないか。
- 化粧が濃すぎないか。
- ピアスの痕は目立たないか。
- イアリング、ピアスをしていないか。
- 健康的か。
- 不精な印象はないか。
- 暗さを感じられないか。
服・小物
- 服装はトータルして似合っているか。(スーツとインナーのバランスなど)
- スーツにシワが寄っておらず、適切なサイズ感か。
- ネクタイはきちんと結んであるか(自治体によってはクールビズOK)
- 全体として派手過ぎないか、地味過ぎないか。
- シャツの袖の長さは適当か。
- スカートは短すぎないか。
- ベルトは適切か。(革靴と色が揃っていると良い)
- 靴のデザインや素材は適切か。
- 靴下は黒、紺、グレーなどのダークトーンになっているか。
- ストッキングに伝線はないか。
- カバンはスーツに相応しい物か。
もう一度言いますが・・・
見た目が良いと、話す内容の説得力が増します。
- バシッっと身なりを整えて受験に臨む。
面接試験過去問の例
ここからは、面接の質問(例)をいくつか挙げてみました。
すぐに、答えられますか?
面接における質問例
- 先生になりたいと思った理由を話してください。
- ○○学校を志願した理由を教えてください。
- ○○科を教える価値や意義は何ですか、また○○科を学ぶ意義はなんですか。
- 教師自身がその教科を好きなことは大事ですが、実際教壇に立つと「その教科は嫌いだ」という生徒がいると思います。どのような指導をしますか。
- 子供の中には、問題行動を起こしたり、いじめをしたりする子供がいると思います。どういった指導をしますか。
- 部活動でどんなことを指導していきたいですか。また、どのような部活を指導できますか。
- 教職として働くにあたり楽しいことばかりでなく、苦しい場面も多々あると思います。あなたは精神的に強いと言えますか。
- 自分なりのリラックス方法はありますか。
臨時的任用教員に対しての質問例
- 普段教師として意識していることはなんですか。
- 何故○○(自治体名)を受験しようと思いましたか。(他県出身者に対して)
- 新卒採用の教師と比べてどこが違いますか。
- 指導可能な部活以外の部活を受け持ってほしいと言われたらどうしますか。
- 普段の授業で心掛けていることは何ですか。
- 学級担任としてどんなクラスにしたいですか。
- 教員の不適切な発言・言動はいまだ起きています。このことについてどう思いますか。
- 仕事を頑張ることができる、その支えとなっていることは何ですか。
- 苦手な教員が隣の席になりました。どのように接していきますか。
- 分かる授業とはどんな授業だと思いますか。
- 分かる授業をするために、どのようなことをしていきますか。
その他予想される質問例
- 教職のやりがいは何だと思いますか。逆に難しさは何だと思いますか。
- あなたの勤務している学校の学校教育目標は何ですか。
- 生徒や保護者に信頼される教師とはどのような教師でしょうか。
- 教育に関する本を読んだことありますか。
- 教育に関するニュースで気になることは何ですか。
- 不登校児童生徒と接するうえで、大変だったことは何ですか。
- 生徒を叱ることができますか。(はい)→叱るとき、気を付けていることは何ですか。
- 今までの人生で挫折を味わったことはありますか。(ある場合は)そこからどう立ち直りましか。
難しい質問例 <具体的なケース>
- 生徒が生活日記に「今とても辛くて、生きていく自信がありません。」と書いてきました。どのように対応しますか。
- 保護者が「この成績では納得できない。」と電話してきました。どのように対応しますか。
- 部活動の大会が迫り、選手を発表しました。その夕刻、部員の保護者から「うちの子はずっと部活動を一生懸命やったのに、なぜ選手に選ばれないのですか。」と問い合わせがありました。あなたはどのように対応しますか。
- 家庭との連携において、もっとも大切なことは何ですか。
- いつも忘れ物をしてしまう生徒にどのような指導をしますか。
- 「他の先生には言わないでね。」と生徒から相談されたとき、どのように対応しますか。
- 先輩の先生や管理職からアドバイスや叱咤激励されることがあるかもしれません。時には厳しく言われます。そのような場合でもあなたは受けとめてやっていけますか。また、心の整理はどのようにしていきますか。
こんなものですべてを網羅できるとは思っていませんが、それでも結構な量になったと思います。これらの質問に答えられるかどうか、確認してみてはいかがでしょうか。参考にしてみてください。
具体的な練習方法
ここからは、僕が採用試験の際に、取り組んだ方法を紹介します。
そんなこと当たり前かもしれませんし、人によっては無駄だと思うかもしれません。
そのとき、僕ができると思ったことを並べてみました。
書き出す
まず、質問に対しての自分の回答を書き起こします。当然本番でどのような質問が飛んでくるかは分かりませんが、上記に挙げたような内容であれば、事前に回答を作っておくことができます。
その場で、作る(回答する)のではなく、事前に作り上げておきましょう。
事前に書き出しておけば、自分の言い回しの癖に気付けたり、簡潔で明瞭な文章に直すことができます。
(ん?あれ?今、何話してるんだっけ?となっても)
面接試験では、口から発した言葉を途中で訂正・修正はできません。
やはり、面接では
簡潔で明瞭な文章で伝えられたGOODですよね。
僕は、採用試験の年に、質問に対する自分の回答を、全て書き起こしました。「こんな質問してくるんじゃないか?」と質問も自分で作り、それらの回答も作っておきました。
「今年もなんの準備もしてない・・・やべぇ、何もやってねぇ」と(ツイッターなどで)呟いている人がたまーにいます・・・
そんな暇があるなら、面接対策しろよ・・・と僕は思ってしまします。(偉そうにすみません。)
準備して、合格率が上がるなら、準備すれば良いだけです。
用意しておいた回答の方が、その場で(試験時に)即席で作る文章より良いと思います。
(もちろん、文章を作るのが上手な人もいると思いますが・・・)
せいぜい50個くらいですよ。
パソコンで書き出してみてはいかかでしょうか。
簡潔で明瞭な文章を目指しましょう。
僕はどんな質問に対しても以下のことを心掛けていました。
- 結論先行で答える
- 2・3文以内に回答しきる。
録画する
書き出したものを、録画してみてください。
照れている場合ではありません。
スマホもタブレットもあります。
自分の話している姿を確認できます。
相手に、どう映るかはとても重要になるので、何度も話す練習をしてみてください。
- 簡潔で明瞭な受け答えになっているか
- 正しい姿勢で受け答えをし、ぐらついたりしていないか
- 目つきが鋭くなっていないか など・・・
父と面接練習をしているときに、「力説しているんだろうが、目つきが悪い」とズバッと言われたことをまだ覚えています。
教育実習のときには「朔先生は話すときに頭が左に傾きますねぇ」なんてことに気付き教えてくれた生徒(G君、あのとき教えてくれてありがとう)にも出会いました。(実話)
自分の話してる姿なんて滅多に見ないと思いますので、録画して見てみてください。
自分の知らない、自分がそこに映っているかもしれません。
- 自分だけが気持ちよく話すだけではダメである。
- 身振り手振りをしない。(せわしない・落ち着きなく見られる)
ポイントは相手にどのように映るかです。
録音する
自分の考え(思い)を伝える最も手軽なツールは
話すこと
です。
しかし、手軽に使っているからこそ、話し方を意識している人はそんなに多くないと思います。
- え~
- その~
- たぶん
とか使っていませんか。
これらの言葉を使ってしまう原因は、答えがまとまりきっていないからです。
事前にしっかりと準備しておけば減ります。え~、その~、たぶんは使わないように・・・
- 声質
- 声のトーン
- 話すスピード
はどうでしょうか?
穏やかな声質で話せていますか?
少しトーンを落として、少しゆっくりに話すと良いと思います。
せっかく良い内容でも、ギャンギャンしていたり、甲高い声だと、不快感が増してしまい、伝わらなくなってしまうので・・・
こんなことまで・・・
- 受験票の写真は、写真屋さんで撮ってもらい、美肌加工を施しました。(イケメン化・・・笑)
- 試験当日は、BBクリームで肌を整えて清潔感をアップ ←本当におススメ!!
- 髪型は、デコを出し過ぎず、隠し過ぎず、7:3をベースにカジュアルにカットしてもらいました。(爽やかさな感じがでるように)
- スーツはジャストサイズにする。
- 革靴、ビジネスバッグを揃える。(スーツにスポーツバッグはミスマッチだと思っているので)
また同じことを言いますが・・・
準備して、合格率が上がるなら、準備すれば良いんです。
できそうなことは、どんどんやればいいと思います。
最後に
教諭でも、(コイツ、ほんとに教員か!?)って人もいます。
(きっと僕は、周りにこう思われているのでしょう・・・笑)
講師でも、「児童生徒のために、学校のために、地域のために尽力している」素敵な先生もいます。
教諭、講師、関係なく、努力している先生は、皆、素敵だと思います。
もしも、こんなところまで目を通してくれているのなら・・・
「なんとしてでも先生になりたい!!!」という思いをもっているのでしょう。
きっと、素敵な先生になれると思います。
どうか、採用試験、頑張ってください。